着付け師 振袖着付け仕上げ確認

振袖着付け、仕上げ確認

最後にチェックは少し離れた場所からしましょう。

後から、襟の抜き加減。重ね襟が後ろから見えていませんか。

背中心が真ん中にありますか。

背中のシワは両端に寄せて整えていますか。

帯は立体感があって布目が通っていますか。

裾線は床にスレスレでしょうか(礼装着)。

前から見て、長襦袢の襟は3センチ位(指二本)でていますか。

前から見て、半衿中央はひし形は均等になっていますか。

おはしょりは横一直線になっていますか。

おはしょりは5~6センチの幅がありますか。

胸元のシワたるみが無いでしょうか。

重ね襟は五ミリ程出ていますでしょうか。

帯は高い位置にありますか。

袖は着物と長襦袢がきれいに重なっていますか。

裾上前の下から裾下前がのぞいていませんか。

 

全部クリアしていれば大丈夫です、ピンチの取り忘れにご注意!^^可愛いお嬢さんの振袖姿の完成。

訪問着や留袖、など他の着物も、衣文の抜き具合を変え、帯の位置をもう少し下に下げれば着付け方は同じです。




着付け師の心得

服装

清潔に感じ良く。上は白のブラウス(白のカッターシャツ)下は黒のズボン。黒のエプロン(着付け用としてポケットの沢山付いた物)黒の靴。

 

お化粧は、

上品に。口紅はつけないのも顔色が悪く暗い感じになりがちです、着物に付かない程度に軽くふき取るくらいにしましょう。爪は前日に切っておきます。着物や帯に引っかからないようにお手入れをしましょう。

 

持ち物

ピンチ数本。変わり帯結びの為のゴム(人数分)。飾紐数本。予備の衿芯。三重紐。さし上げても良いように、柔らかい空き箱で作った帯前板。後板。

腰紐数本。予備の半衿。補正用のタオル数枚。綿花。裁縫道具。

カバーの付いたハサミ。さらし(バストの豊な方用)と、腰紐がどうしても足らない場合、持ってこられた中の一番しっかりした腰紐モスリンなどを一番大切な腰紐として優先し、

足らない腰紐は、さらしを裂いて胸紐として利用できます。

 

(個人で美容室へ行く場合は、一通り持っていくと安心です)(着付け師さん、団体でレンタル会社さんのような、大人数の着付けにいく場合は、用意されている時もありますが、確認をしましょう)

 

着付けを始める前に準備をします

たいていは、美容(ヘアー)の方から先に始めますのでお客様のお荷物を預かります。

包みをといて準備をします。汚れないように風呂敷などの上に、準備しましょう。

小物など初めて使う場合、新しい物はビニール袋に入ったままですので全部出してすぐ使えるようにします。コーリンベルトなどもお客様の体型にもよりますが、すぐに直せるようにゴムを広げて自分の肩幅くらいに調整をしておきます。

たまに、古いコーリンベルトなどは、金具、もしくは、プラスチックなどの止め具が上手く開かない場合がありますのでチェックしましょう。

 

以前、呉服屋さんの振袖の前撮りの時に側で着付けていました。

着付け師さんが、コーリンベルトを止めていた時に、パチーンと凄い音でプラスチックが粉々になった事があります。

ちょうど、呉服屋さんのイベントだったので、新しいのを購入して頂きましたが…着付け会場ですぐに手に入らない場合もありますので

予備に一本持っておくと安心ですね^^;

 

まず、一番下に前帯板と後帯板。

その上に、帯の準備。

結びやすいように手先を半分に途中まで折りたたんでおきます。

 

帯締めや帯揚げ、帯枕、三重紐、コーリンベルト、腰紐、伊達締め、その上に着物を袖だたみにしておきますが、重ね衿は着物に三箇所をピンチで付けておきます。

その上に長襦袢用に腰紐、伊達締め、長襦袢(半衿の付いたものに衿芯を入れておきます)

その上には、裾よけと肌襦袢、補整用品、足袋(履きやすいように半分に折っておきます)

 

着付けをする順番に上から重ねて置いておくとスムーズに着付けができますね^^

もう一つは、着ていたお洋服を入れる為の袋か風呂敷も準備しておきましょう。

 

挨拶を忘れずに

成人式の振袖であればお嬢様に「本日はおめでとうございます。

本日着付けを担当させていただきます○○です。どうぞよろしくお願いします。」

着付けの場面場面で、挨拶も違いますが、気持ちよく心から伝わるようにしたいものですね^^

 

所作は美しく

着付けに夢中になると、両膝を付いて帯や帯揚げ帯締めなどを始末している時につい、両方の足先が開いてしまったり、立て膝になったりしないように気をつけたいものですね。

無言で着付けをしない

着付けをしながら、言葉をおかけしましょう。

最初は緊張してなかなか言葉はでませんが、お客様に不安を与えてしまいます。私の経験からですが…^^;

たとえば、半衿が可愛かったので…「この半衿、可愛いですね、お母様に付けていただいたのですか?」と聞きますと、

「これは、祖母が選んで買ってくれた物です(#^.^#)」「そうでしたか、衿元が可愛くなるようにこの半衿をしっかり見えるように丁寧に着付けをさせていただきますねっ」…と^^

すると、お嬢様は、嬉しそうに笑ってくださいました。

そして、紐を締める時なども一言声をかけてさしあげましょう。(お嬢様には、馴れ馴れしく、ためぐちで話さないようにしましょう。)

 

胸紐や伊達締めなど、あまりきつく締めなくても大丈夫です。

上へ上へと重ねて帯も締めますから簡単には緩みません。

でも、腰紐だけは例外です。

絶対に緩めてはいけません。^^;(腰紐が緩いと…考えただけで怖いことになります。着物はずるずると落ちてくるし、帯も落ちてきます)想像するだけで(>_<)うぅ~怖い!!

私はいつも、腰紐だけは、奥歯を噛み締めて(笑)ギューっと!!締めますが…顔には出さずに(笑)締めてから…キツイとおっしゃれば説明します。

「中に補整のタオルを巻いていますから相当きつく締めても後になってくるとタオルが吸収してくれますから^^;大丈夫ですよっ!」と。

それでもキツイとおっしゃれば、

腰紐は緩めずに腰紐の中に指を入れて左右にシワを寄せるようにしっかり扱いて身体に添わせシワを整えます。…

「緩めましたよ、どうでしょうか?」と聞きますと、笑顔で「はい(#^.^#)大丈夫みたいです」と、おっしゃいます(#^.^#)

腰紐を解いて緩めるのではなくシワを扱いて隙間を空けます。

 

時間短縮を目指しましょう

私がまだ着付けデビューして間もない頃に先生からアドバイスをもらいました。

その時は、

重ね衿を着物の衿に添わせてコーリンベルトを止める時でしたが自分で納得いかないのでやり直していたら

「着付師さんは、同じ場所を何度も触らない!」と。

「一つずつの仕事を流れるように仕上げていきましょう」

今考えるとその通りだなと(^^;)着付ける回数が増えるごとに身に付いて時短へとなる事を。

着付けが仕上がったら全体を少し離れた所からチェックをしましょう

お草履とバッグ、荷物を持っていただき、お疲れ様でした。

いってらっしゃいませ(#^.^#)笑顔でお見送りしましょうね。




着付け師 振袖の着付けの手順

振袖の着付けの手順を書いてみます。

お嬢様の荷物をといて…。

 

足袋

足袋は、半分だけ折り返して準備しておくと時間短縮になるし、お嬢様も履きやすいと思います。

(付け爪の方はできないので(*_*;足袋に足を入れてもらって立った状態で後ろからコハゼを止めてあげます。)

コハゼ(足袋の合わせ目につけた爪形(つめがた)の留め具)

肌着

(裾よけ、肌着、他ワンピースタイプなど)
ワンピースタイプでない時は、
裾よけ、肌襦袢の順につけます。

裾よけは紐の付け根のサラシを折り返して巻きつけて結びます。

肌襦袢の後ろ衿(衣紋)ぬきを思いきり広く開けておきます。

ワンピースタイプなども、ウエスト紐はゆるめに。

背中のシワは、左右に振り分け脇でタックを取ってスッキリ始末し、下へシワを引いて着物の上にひびかないようにします。

 

補整

ヒップの上やウエスト

ヒップの上やウエストにタオルで補整をします。
(ちょうど帯を巻く下地にタオルがある様に補正をします)

余談ですが…着物を着付けた時に、胸紐や腰ひもも、このタオルの上に当たるのでキツク結んでもタオルが吸収してなじんできます。

 

お嬢様が腰紐がキツイと言われても、これを説明して決して腰ひもは緩めないようにします。

振袖は重いので腰ひもが緩いと考えただけで、最悪ですね。

 

そうそう、それと、このウエストやヒップの補正は位置を間違えると大変な事になりますね。

下すぎるとお手洗いの時にヒップの上後ろにタオルがのぞきます。

お嬢様は、補正なんて何も分からないのでヒップの上のタオルが手に当たり…?

これを引き抜きます。すると腰ひもは緩み~着物がずり落ちて最悪の状態になりますね。

こんなことが起きないためにも補正の位置は重要な仕事です。

あぁ~話がそれましたが(^_^;)
もとに戻って

タオル三枚、お嬢様の体型によっては、前にも入れて五枚いる場合もあります。

タオルを押さえるのに腰紐一本使用。

補正は、(くびれを無くして、ずん胴型にする)

補整。胸元

胸元、襟元の補整は綿花で両方の鎖骨の凹みを補整します。
(補整用の綿花)の上に 端を裂いたガーゼを胸から当ててバストを押さえながら巻いていく方法と。

綿花やガーゼがない時はタオルを細長く半分に折って首元にVにあてる方法があります。

この補整をしないと長襦袢や着物の衿元が落ち着きません。

直線裁ちのきものは、体型の凸凹を無くす事できれいに着あがります。
胸の薄い人は鎖骨下からバストの間にタオルを置いて胸元を整えましょう。

胸の豊な人は和装ブラジャーで押さえ胸元を整えると思いのほかきれいな着付けになります。

衿元鎖骨の綿花の補正の時に気をつけることは、後の衣紋をぬいた衿元から補整が見えないように気をつけましょう。

美しい胸元、衿元は補整から始まるのです(#^.^#)

着付け師のみなさまには、これは当たり前の事ですよね。

きちっと丁寧な補正の仕事であれば、後の着物の着あがりが美しいのです。




振袖

振袖

振袖は、長振袖 中振袖 小振袖があり

ミスの晴れ着として用います。

袖丈がふくらはぎまである大振袖と膝上あたりの中振袖がありますが

最近では、大振袖がよく着られるようです。

第一礼装としての品格のある着付けをする事が大切です。

⁂ 振袖の着物を着る時に準備するものリスト

振袖の着物
(しつけが付いている場合は取っておきましょう)


(袋帯)

長襦袢
(半衿を縫い付けておきましょう、忘れると衿芯が入れられません)

重ね衿
(伊達衿とも言います、衿元のオシャレです。)

衿芯
(忘れると衿元がよれよれでスッキリと決まりません)

伊達締め
(長襦袢と着物と両方使いますから二本いります)

帯揚げ
(帯枕を包みます、帯締めや着物との色のバランスをみましょう)

帯締め
(帯をしっかりと引き締めて前で結びます)

帯枕
(ガーゼで包んで、付いている紐と同じ長さにします。
付いている細い紐だと胸元が締まりすぎて苦しい場合があります)

帯前板と後板
(帯を結ぶ時に、帯の中に挟みこんでしわにならないようにします)

足袋
(できれば自分で履ける様にしましょう)

裾よけ
(足袋を履いて、一番最初に腰に巻いて着け、上に肌着を着ます)

 
肌着
(一番下に着るものです、和装ブラジャーがある場合はその上から)

腰紐
(補整に1本、長襦袢に1本、着物に2本出来れば5本あると安心です。
少しふっくらさんは、少し長い目の腰紐が売ってありますから揃えておくと安心)

三重紐(袋帯の帯結びに使います)

コーリンベルト
(なくても腰紐で代用できますが、着物の衿合わせがくずれないように、止めておいたり重ね衿などを留めるのに一本持っておくと便利です)

補整のタオル5枚
(着物はくびれがあると、着崩れしやすいので、ずん胴型にします。
体型にもよりますが^_^;ウエストに3枚、胸元に1枚、綿花やガーゼもあると便利です。
事前に着付けていただく方に確認しておきましょう)

草履
(履きやすいように前もって草履のはなお、の根元をひっぱって緩めておくと痛くて困ることがありません。
この時につま先まで足を入れて履くと足の親指と人差し指が痛くて辛いことになりますから、軽く挟んで履くことです。
かかとが少し草履からはみ出した位が見た目にも可愛いですね^^)

バッグ
(大体は、草履とバッグがセットになっているものが多いです。
あまり入らないので風呂敷や布製の薄い袋を入れておくと便利です)

髪飾り
(自分の気に入ったものを用意しましょう。
ヘアースタイルも美容師さんに分かりやすく説明するために事前に雑誌の切抜きなどを持参するのも良いかも^^)

ショール
(成人式は行き帰りが寒いので衿元に暖かいショールがあると嬉しいですね)

雨の日は
(草履カバー、振袖の着物を守る雨コート、大き目の傘、どこか、立ち寄る際の履き替え用の足袋)